変形性股関節症

変形性股関節症とは

変形性膝関節症と同様に関節軟骨の退行変化をきっかけに股関節の関節破壊、変形が起こる疾患で、寛骨臼形成不全などに続発する二次性が大半を占める。                    40~50才以上の女性に多く、男女比では1:1~4

【症状・所見】                        ・初期には鼠径部に運動開始時や過重時の強い疼痛       ・進行すると持続性の疼痛、股関節可動制限、更に跛行や関節   変形(脚長差)出現                     ・X線像では関節裂隙の狭小化骨棘形成軟骨下骨の骨硬化像、  骨嚢胞が認められる                    ・股関節周囲の筋力低下や筋萎縮がみられる。

 

 

【原因・病態】                        一次性:原疾患が明らかで無い「重量物作業・肥満・加齢」   二次性:原疾患後に二次的に発症「寛骨形成不全・発育性股関      節形成不全・大腿骨寛骨臼インピンジメント」              先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全による二次性では学      童期までは無症状でも、20才前後から疼痛を現れる 

【検査方法】

・トレンデンベルグ徴候股関節外転筋群不全           立位で膝を屈曲させて骨盤の傾きがあれば陽性

・トーマス・テスト:腸腰筋の屈曲と拘縮             健側の股関節を屈曲すると、患側の膝が持ち上がれば陽性

・パトリック・サイン:変形性股関節症              患側の脚を健側の膝上に置き下方への圧迫で疼痛あれば陽性 

治療法

【保存療法】

痛の軽減や病期進行の予防を目的に保存療法を行なうが、病期の進行が認められた場合には手術療法を検討する

【手術療法】

変形性股関節症の手術療法は、主に関節温存術(骨切り術)人工関節置換術(主にTHA)に大別されます

術式の選択は病期や年齢、病態、社会的背景などを考慮するが、原則的には関節温存術を行なうが、進行期や高齢者には人工関節置換術を選択する

それ以外の手術療法では、筋解離術寛骨臼縁切除術股関節固定術などがあり、単独または他の術式と併用して行なう事がある

鍼灸に於ける治療

変形性股関節症の発症と特徴

一次性(原発性)                       特に誘因や原因が無く発症する変形性股関節症

二次性(先天的な誘因など)                  先天的関節脱臼先天的大腿骨頸部形態異常、循環障害、    外傷などから二次的に発症する変形性股関節症

病状の当初は歩行時に殿部や下肢に疲労感を訴え、続いて関節の疼痛と可動制限が出現し、痛みが股関節前面に多いが大腿部内側前面に放散したり、殿部まで及ぶ場合もある

痛みは歩行時に出現し、歩行し始めたら一時的に痛みが消失しても長時間の歩行では再度の疼痛出現があり、関節可動制限は屈曲外転が阻害される特徴がある

進行すると総ての可動方向に制限され、中には全く動かなくなる場合もあり、大腿部の筋肉は次第に萎縮する

X線画像では関節裂隙に狭小化、軟骨硬化像、骨棘形成、骨頭臼蓋の変形が見られる

予後は一時的に軽快するが、進行傾向があり鍼灸が適応するのは加齢が基盤の場合に適応となる

 

取穴と刺鍼姿位

股関節の運動には殿筋群腸腰筋梨状筋大腿方形筋内外閉鎖筋上下双子筋などが大腿骨大転子や小転子に付着していますので、それらの筋の緊張を和らげる施術を心懸ける事が疼痛緩和に向かわせます

 

オステオパシー

身体の構造の機能障害では、骨・関節・筋膜などの構造及びそれらと関連する欠陥・リンパ系・神経系の構成要素を包括する体性要素が障害を受け、機能異常に陥った状態をオステオパシー手技で改善する事ができます

オステオパシーでは、姿勢から観察する静的検査と自働・他動の関節可動域検査、触診などから、機能異常箇所を特定し、次いで用いられる施術手技を選択します

最も制限のあるバリア(拘縮・緊張)には直接法

最も制限の少ないバリア(弛緩・不安定)には間接法を使用します

選択使用される手技には次の方法があります

軟部組織テクニック

筋筋膜リリース

マッスルエナジー

リンパ手技

カウンターストレイン

内臓テクニック

神経リンパ反射テクニック

頭蓋仙骨療法

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