食欲不振とは、特定の食品だけではなく、総ての食品に於いての食欲が無くなる事を言います。
人は生命維持の為にエネルギー確保を食物から摂取していて、これは大脳の視床下部にある、食欲中枢によってコントロールされています。
食欲中には満腹感を感知する満腹中枢と空腹感を感知する摂食中枢があり、血糖値が下がると摂食中枢が刺激され、また空腹感は胃が空になり時間が経過すると”胃の飢餓収縮”が起こり、迷走神経を介して摂食中枢にが刺激される事で、食欲が起こります。
飲食で血糖値が上がると摂食中枢が刺激されて満腹感を感じ、また胃に食物が入ると胃壁が伸展されて迷走神経を介して満腹中枢に伝えられて、摂食中枢が抑制されます。
この食欲は情緒や食べ物の記憶、視覚、臭覚などの影響を強く影響され、不振が起こるとされています。
食欲不振を訴える人は、胃などの消化器系の不定愁訴も同時に訴える人が多く、胃などの消化器系にアプローチする治療を考える
<治療穴>
中脘、巨闕、膈兪、脾兪、胃兪足三里、梁門、胃倉、陽陵泉
東洋医学では食欲不振の事を「納呆」と呼び、特に脾と胃の病変と密接な関係とされています。
食欲不振が増悪されると、食べ物の臭いすら嫌い、見るだけでも悪心が起こる等の症状に発展して「悪食」「厭食」などと呼ばれます。
分類では、実症と虚症、それに虚実挟雑があります。