胸痛とは胸部の痛みを総称していうが、胸痛を起こす原因には胸壁、心臓血管系、呼吸器系、食道、腹部臓器、それに心因性も関係があります。
主な原因疾患を下記に載せております。
突発性肋間神経痛は鍼灸治療の対象疾患ですが、胸痛には種々の原疾患があり、中には生命に関して重大な影響を及ぼす疾病も潜んでおり、締め付けられる感覚の疼痛や、上肢への放散痛、悪心、呼吸困難を訴える場合には、必ず医師の検診を進める事が必要です。
鍼灸治療に於いては、「鎮痛」を目的に、知覚神経領域での痛み部位などに刺鍼を行う。過誤にならぬように斜刺または横刺で刺鍼を行う。
<治療穴>
中庭、歩廊、食竇、巨闕、幽門、不溶、上脘、腹通谷、巨闕兪、蕨陰兪、膏肓、神道、心兪、心堂、霊台、督兪、譩譆、緊縮、肝兪、魂門
東洋医学では胸痛の事を「胸痺」とよび、様々な原因から胸中の陽気がつまって、起こる胸悶、胸痛の事をいう。
「痺」とは詰まって通じなくなる事を言うが、軽傷の場合には胸悶が起こり、重症の場合には胸痛が起こる。
胸痺には実症と虚症がある。