低血圧症

低血圧症とは、正常範囲より血圧が低く、持続して存在し、頭痛・倦怠感・起立時のめまい感などを愁訴すとする症候をいう。

低血圧のWHO基準はなく                      一般的には最大血圧110~100mmHg以下                    最小血圧 70~60mmHg以下とされています。

しかし、成人で収縮期(最大血圧)                        40歳迄で100mmHg                       40歳を超えると110mmHg              を基準として、最小血圧は重視しない説もある。

低血圧症を分類

低血圧症を臨床的に分類すると、体質性、本態性症候性起立性に分類と便利で、しかし体質性については自覚症状が乏しく、治療無しでも長寿の場合も少なくなく、治療対象から除かれる。

  • 1
    本態性低血圧症
    本態性高血圧症に対応して用いられる名称で、原因が定かではなく、体型・体質・性格などが関与して起こり、愁訴を訴えるが病的と考えられる意義が見当たらない。
  • 2
    症候性低血圧症
    (1)心臓・血管系疾患
       心臓弁膜症、心筋梗塞、心筋炎、心嚢炎、発作性頻脈症など
    (2)呼吸器系疾患
       肺結核、肺気腫、気管支喘息など
    (3)消化器系疾患
       胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、胃癌、肝硬変など
    (4)内分泌系疾患
       副腎機能低下がアジソン病、粘液質水腫、重症の糖尿病に見    られる
  • 起立性低血圧症
    起立時に血圧降下を起こすもので、自律神経系を中心とした神経反射の異常が想定される。

現代医学の鍼灸治療

低血圧症で鍼灸治療の最も適応となるのは、本態性低血圧症で、随伴症状として「冷え」を伴う状態が女性に多い症候群で、低血圧症と共に自律神経失調症にも見られる

<治療穴>

天柱、膈兪、腎兪、中脘、関元、三陰交

東洋医学の鍼灸治療

東洋医学で本症は、主に気虚体質や飲食不節や労倦などと密接な関係があり、「眩暈」「虚労」「暈厥」などに含まれるないようである。

情志の失調からの抑鬱・胸脇苦満・疼痛・不眠・心悸・煩悶・眩暈などの症状は鬱証の範疇で、「自律神経失調症」にあたります

低血圧症の病症は2種類あるが、共に虚症である。

  • 1
    気虚による低血圧症
    気虚のために清陽が頭顔面部に昇らない「とめまい」「ふらつき」が現れる。
    <症状>
    顔面蒼白、色つやが無い、息切れ、無力感、自汗、話すのがおっくう、舌質淡舌苔薄脈沈遅
    <治療穴>
    百会、脾兪、腎兪、関元、足三里
  • 2
    気陰両虚による低血圧症
    気虚のために鼓動が無力となり、陰虚のために脈道が充足しないと低血圧症が起こる。
    <症状>
    めまい、精神疲労、無力感、五心煩熱、口乾、心悸、息切れ、不眠、口渇舌質紅舌苔少脈細数
    <治療穴>
    脾兪、腎兪、足三里、太谿、三陰交

     

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