良性の平滑筋腫でエストロゲン依存性疾患で、婦人科疾患では最多

子宮筋腫

子宮筋腫とは

子宮筋腫とは子宮筋層を構成する平滑筋に発生する良性腫瘍(平滑筋腫)で、増大には女性ホルモンのエストロゲンが関与するエストロゲン依存性疾患で、婦人科疾患の中で最も多く生殖年齢の女性の20~30%にみられ、多くは子宮体部に95%の割合で発生し、悪性化する事は極めて希です (0.5%以下)。

好発年齢は30代~40代の女性で、症状として鉄欠乏性貧血月経過多月経困難症不正性器出血不妊、等があります。

検査は、内診で形状が不整で硬く腫大した子宮に触れられ、超音波検査MRI子宮鏡(ヒステロスコピー)等で骨盤内に腫瘍が認められる。

子宮筋腫の発生部位と発育方向

子宮筋腫の約95%は子宮体部から、約5%が子宮頸部から発生し、希に子宮膣部からの発生もみられる。

子宮筋腫は、筋腫の発育方向によって、粘膜下筋腫筋層内筋腫漿膜下筋腫の3つに分類される。

筋腫の分類で粘膜下筋腫が最も症状が強く、経時的変化は下記の様になる

 

子宮筋腫に於ける症状

子宮筋腫の症状は半数以上が無症状で、症状がある場合その症状の重症度は筋腫の存在部位と相関関係が強く、筋腫の大きさとは関係が少ない。

  • 過多月経、特に粘膜下筋腫の初期症状で1回の出血量が通常より多く、月経日数も長く、頻発に月経が起こる
  • 鉄欠乏性貧血
  • 月経困難症   (特に粘膜下筋腫に多く、激しい月経痛)
  • 不妊流産早産    (粘膜下筋腫では受精卵が着床し難く、不妊症、不育症になることがある)
  • 頻尿便秘腰痛などの圧迫症状                                                       漿膜下筋腫(無症状の場合が多い)、筋層内筋腫では、下腹部に硬      い子宮を自覚できる事がある

治療と経過判断

治療法の選択には筋腫の大きさや症状だけでは無く、患者の年齢や出産希望などの様々な条件が加わるので、総合的な判断が必要となる。

筋腫が小さく無症状の場合や、閉経年齢に近づいて場合には、経過観察を選択して、貧血が見受けられる場合には鉄材投与が行われる。

『経過観察』                            明らかに良性で無症状、出産希望が無い場合に3~6ヶ月ごとの検診  貧血が顕著と疼痛の場合は対症療法で鉄材投与、鎮痛剤投与

『薬物療法』                            GnRHアゴニスト(偽閉経療法)                     下垂体にGnRHレセプターに直接拮抗し、視床下部からのGnRHよる   下垂体機能促進を抑制する。                    性腺刺激ホルモン(ゴナトロビン)の分泌を抑制してエストロゲン(女   性ホルモン)の産生・分泌を抑制しようとする治療法。         ・4週間ごとに注射:リュープリン、ソラデックス、スプレキュアMP  ・毎日点鼻    :スプレキュア、ナサニール

『手術療法                            ・筋腫核手術:子宮を温存し不妊や出産希望に添った手術法で、従来   の手術方法で腹式と膣式の手術方、内視鏡下で腹腔鏡式と子宮鏡式   があります。

 ・単純子宮全摘手術で根治療法

『新しい治療法としてUAEとFUSがあります』           UAE(筋腫栄養血管遮断術)                    子宮筋腫の栄養血管を大腿動脈から挿入したカテーテルで塞栓物質   を注入して筋腫を壊死・縮小させて症状の緩和を図るもので、閉経   前で出産希望が無い場合に行われる。

 ・FUS(MRガイド下集束超音波療法)                子宮に集束した超音波を照射し、筋腫を熱凝固させる治療法で、    MRIで病巣の位置を確認しながら行い、筋腫は壊死し数ヶ月で    組織内に吸収される方法で、患者は日帰り治療が可能。        短所は治療時間が3~6時間と長いのと、残った場合には再増大    の可能性がある。

東洋医学で治療

鍼灸治療

昔は癥癖または塊癖、血塊という字をあてていたようで、子宮の良性平滑筋腫瘍をいいます。

子宮筋腫の大部分は足蕨陰肝経の変動によって小腹に瘀血が溜まるためとされ、この足蕨陰肝経の流注にある重要穴である、大敦穴太衝穴蠡溝穴と、足の太陰脾経の三陰交穴(足の蕨陰肝経・足の太陰脾経、足の小陰腎経の陰経三脈が交わる処で婦人科疾患の常用穴)は探らなければならない経穴です。

また、任脈は陰経の脈気が集まり、胞胎を主っているので、中極穴が重要な経穴となり直ぐ下の曲骨穴、足小陰腎経の横骨穴大嚇穴も注意深く探る必要があります。

漢方薬

子宮筋腫に於ける漢方薬の働きは、随伴症状を軽減する有用な保存方法で漢方薬内服での筋腫の縮小・消失の効果はあまり期待ができないが、希に鶏卵大の腫瘍が駆瘀血剤の服用で消散したり、筋腫分娩を促進して排出させることもある。

桂枝茯苓丸料〕                          子宮筋腫に一般的に用いられ、腫塊の小さなものは長期服用で縮小す  る事もある。

桃核承気湯〕                           左下腹部の抵抗圧痛に著明で、すなわち小腹急結の証のあるものは、  本方が良い。

折衝飲〕                             筋腫があって、月経痛・月経不順・下腹部の疼痛を発するもの等には  本方を用いる。

抵当丸〕                             筋腫があり、下腹部に膨満感を訴え、小便自利、物忘れなどするもの  に良い。本方を2~3ヶ月飲んで腫塊が小さくならなければ、更に   長期にわたって用いない方が良い。

芎帰調血飲〕                           産後または流産後などに下腹に腫塊を生じ、筋腫の診断を受けたもの  で、本方を1ヶ月服用により全く消散したものがある。

オステオパシー

子宮筋腫の患者の胸椎12番、腰椎1番~3番、仙骨の実質検査を行い、一番に弾力性を失っている箇所の骨呼吸メカニズムを調整して、骨本来の呼吸メカニズムを取り戻す事で、筋腫が徐々に縮小する可能性を示す。

子宮筋腫は子宮動脈から子宮壁に向かって血流が強く供給されているために筋腫が発生すると考えられます。

また、骨盤内臓腔検査で制限のある側をダイレクト・インダイレクトで治療するなどの方法があります。

また、神経リンパ反射点で恥骨下肢と閉鎖孔の内側下縁の反応を認知して治療点とする。

この問題の対処には、飲食物断食という患者自身の努力が不可欠となる。

禁止飲食物〕           

 カフェイン添加食品(コーヒー、紅茶、チョコレートコカコーラ、抹茶) 味の素などの化学調味料

 その他の添加物使用食品

その他の症状

パソコン|モバイル
ページトップに戻る