喘息

喘息とは、一般的には気管支喘息をさすが、心臓喘息・尿毒症喘息も存在している。

気管支喘息については、気管支の収縮過敏症が前提となり、気管支平滑筋の攣縮気道粘膜の浮腫粘液分泌の増加により、気道狭窄を示す慢性閉塞性の疾患で、発作性の呼吸困難と喘鳴を特徴としている。

 

喘息の分類

  • 1
    気管支喘息  一般的な喘息症状のほとんどを指す
    気管支喘息の中でもアトピー型が多くをしめ、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎の既往歴と家族性をも考慮にする事が必要。
    症状として、小気管支浮腫・平滑筋痙攣・粘膜分泌物増進などの病変を示し、発作時には空気が肺細胞内に充満して、呼気困難となり、夜間発作が多いが横になっておられなくなり起座呼吸で喘鳴を伴う呼吸が特徴となる。
  • 2
    心臓喘息
    体動時に呼吸困難を訴える、高血圧・冠状動脈疾患などの心疾患があり左心室機能不全による呼吸困難で、特に発作性夜間呼吸困難が特徴で、苦悶し顔面蒼白となる。重症の場合には死に至る事もある。
  • 3
    尿毒症性喘息
    腎不全に伴う呼吸困難で、肺水腫、喘鳴、痰はなく、心臓の力も危険な徴候は示さない。

注意を要する喘息症状

  • 1
    身体を動かすときに呼吸困難を訴え、心臓疾患の既往歴と夜間に症状が頻発する場合→心臓喘息
  • 2
    息切れや痰喀出を主訴とする→肺気腫慢性気管支炎
  • 3
    主に吸気時に喘鳴が聴かれ、嗄声を伴う→咽頭の病変
  • 4
    発熱や膿性痰、呼吸困難の増悪→感染症
  • 5
    呼吸困難が強く寝てられない、日常生活が困難な発作症状→重症化

現代医学の鍼灸の治療

治療には多くを占めるアレルギー性気管支喘息に対しての免疫力の向上を目的に自律神経系の調整で、気道の過敏性を抑制して発作の軽減と予防、その他の症状の改善を図る。

胸部・背部の圧痛、硬結などの反応点を調べて鍼灸を行う。

<治療穴>                             肺兪、中府、尺沢、膈兪、身柱、人迎、天突

東洋医学の鍼灸治療

東洋医学では「哮喘」と呼ばれ、「哮」は発作性の喘鳴を伴う呼吸困難をいい、「喘」は喘鳴を伴わない呼吸困難をいう。

しかし、臨床上では同時に見られる場合が多く区別は困難である。

哮喘には実症と、虚症があり発作時には実症が多く、発作を繰り返していると虚症に転じ、また虚症をベースに持つ者が急性発作を起こすと本虚標実症になる。

原因としては体内に「痰飲」の潜伏が考えられ、これを「伏飲」と呼ぶ。

この伏飲のある人が気候変化・飲食・情志・疲労などの因子が加わると哮喘の発作を起こしやすくなる。

実症

  • 1
    風寒  風寒邪による
    伏飲のある者が風寒の外邪を受けたり、体内に寒飲が外邪の刺激を受け、肺気の昇降が失調し気道の通りが悪くなると哮喘が起こる。
    <症状>
    悪寒発熱、急性発症、無汗、痰は希薄で量が多い、胸悶、呼吸が荒い、舌苔薄白脈浮緊・弦緊

    <治療穴>
    肺兪、中府、列欠、風門、尺沢、孔最、膻中、豊隆
  • 2
    痰熱 風熱外邪による
    伏飲のある者が風熱の外邪を受けたり、痰熱が盛んなために肺気の昇降が失調して哮喘が起こる。
    <症状>
    顔面紅潮、呼吸粗い、急に発症、胸悶、煩熱、口渇、痰は黄色で粘性、舌苔黄膩脈滑数
    <治療穴>
    大椎、合谷、中府、膻中、孔最、豊隆、太白、後谿

虚症

  • 1
    肺気虚
    肺は気を主っていて、肺気虚になるとこの機能が低下して哮喘が起こる
    <症状>
    顔色淡白、自汗、弱々しい呼吸、声に力が無い動くと増強、寒がりで風邪を引きやすい、痰希薄舌質淡脈細弱
    <治療穴>
    肺兪、中府、大淵、尺沢、孔最、天突、膻中 
  • 2
    脾気虚
    脾気虚のために運化機能失調し、痰湿形成し中焦に停滞して、肺に影響して昇降機能失調して哮喘が起こる。
    <症状>
    顔色萎黄、消痩、食欲不振、息切れ、倦怠感、腹脹、大便溏薄、動くと増強、舌質淡舌苔白脈緩弱
    <治療穴>
    肺兪、脾兪、太白、中脘、陰陵泉、尺沢、孔最、膻中、豊隆
  • 3
    腎気虚
    腎気虚の為に納気機能低下して哮喘g起こる。
    <症状>
    呼吸短、息切れ、めまい、耳鳴り、四肢冷え、腰膝だるい顔色蒼白、疲労で増強、寒がり、動くと増強舌質淡脈沈細
    <治療穴>
    脾兪、大淵、腎兪、太谿、足三里、復溜、尺沢、孔最、膻中

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