喘息とは、一般的には気管支喘息をさすが、心臓喘息・尿毒症喘息も存在している。
気管支喘息については、気管支の収縮過敏症が前提となり、気管支平滑筋の攣縮、気道粘膜の浮腫、粘液分泌の増加により、気道狭窄を示す慢性閉塞性の疾患で、発作性の呼吸困難と喘鳴を特徴としている。
治療には多くを占めるアレルギー性気管支喘息に対しての免疫力の向上を目的に自律神経系の調整で、気道の過敏性を抑制して発作の軽減と予防、その他の症状の改善を図る。
胸部・背部の圧痛、硬結などの反応点を調べて鍼灸を行う。
<治療穴> 肺兪、中府、尺沢、膈兪、身柱、人迎、天突
東洋医学では「哮喘」と呼ばれ、「哮」は発作性の喘鳴を伴う呼吸困難をいい、「喘」は喘鳴を伴わない呼吸困難をいう。
しかし、臨床上では同時に見られる場合が多く区別は困難である。
哮喘には実症と、虚症があり発作時には実症が多く、発作を繰り返していると虚症に転じ、また虚症をベースに持つ者が急性発作を起こすと本虚標実症になる。
原因としては体内に「痰飲」の潜伏が考えられ、これを「伏飲」と呼ぶ。
この伏飲のある人が気候変化・飲食・情志・疲労などの因子が加わると哮喘の発作を起こしやすくなる。