オステオパシー哲学は「人体の構造(解剖学)と機能(生理学)を調和させた概念を包含する科学的知識を拡張させることで裏付けられるヘルスケアー」とされている。
以下の原理に基づいて治療手技を行う。
(A)人体全体は一つのユニットである (B)身体は本来、自己治癒能力を持つ (C)構造(解剖学)と機能(生理学)は相互に関与し合っている (D)合理的な治療は上記の三原則に基づくものである
『診断と治療原理』 組織や関節、その他の構造を正常な可動範囲でコントロールすること で、治療手技では正常な生理学的範囲内で行い、決して解剖学的な制 限を越えてはならなく「どちらの方向に制限あるいは非対称性がある か、どちらの方向により自由に動くか」の生体力学的に診断と治療が 行われる。
体性機能障害および異常は、骨、関節、筋膜などの構造およびそれらと関連する血管、リンパ系、神経系の構成要素を包含する体性要素が障害を受け、機能異常に陥った状態で、これはオステオパシー手技によって治療が可能です。
人は長年の習慣や外的力によって右側の鎖骨が前方の下方向に傾いたとしたら、人の身体は機能を維持するために代償を行い左の鎖骨が後方の上方向に出てきます。
人は骨盤の後ろにある仙骨に脊柱が乗っていて直立いてますが、もしも尻餅をついたなどの何らかの原因で仙骨が左方向に傾いたとすると、その上の腰椎5番は右に回旋して代償をしていき、順次上の椎骨の代償を繰り返して、機能を保とうとしていきます。 この時に腰椎5番が充分に代償しきれないと右側に痛みが現れる事になります。
この時の治療方法の一つは間接法の誇張法を用いると、腰椎5番を右方向に、4番を左方向に僅かに誇張して回旋させて反応を待つと、脊椎は順番に代償を解消して健全な位置に戻っていき、痛みも消滅していきます。
また、内臓腔や頭蓋などに於いては直接法をもちいて、障害部位へダイレクトに働き掛ける場合もあります
針治療の定義にで「一定方式に従い、鍼をもって身体表面の一定部位に接触または、穿刺刺入し、生体に一定の機械的刺激を与え、それによって起こる効果的な生体反応を利用し、生活機能の変調を矯正し、保健及び疾病の予防または治療に広く応用する施術である」とあります
要約すると、はりを用いて健康維持を目的に病気の予防と治療を行う事が定義されています
◎皮膚に刺す鍼
はりの材質は”金””銀””ステンレス”があり、金や銀は高価であるが故にコスト的には使い捨ては難しく、消毒と研磨を行って半永久的に使用しますが、単価と管理の両面から現在はあまり使用されてはいないようです
ほとんどがステンレスはりを用いて、細菌感染の心配が無いように使い捨て(ディスポーサブル)が主流となっています
◎皮膚に刺さないはり(接触鍼)
<貼付鍼>皮膚に刺さない、経絡上の流注にテープで貼って循行良 くする接触鍼の使用法です。
<小児鍼>接触鍼(集毛鍼、振子鍼、てい鍼、金・銀鍼など) 摩擦鍼(ローラー鍼、魚鍼、イチョウ鍼など)
日本鍼では長さで10mm~90mm迄に数種類があり、太さでは0.14mm~0.3mmまでに数種類があります
通常では、長さで30mm~50mm程度で、太さでは0.16mm~0.20mm迄が多く使用されています
太さを”はりの使用法は大きく分けて、「刺すはり」と「刺さないはり」に分けられます
刺すはりには、ツボを刺激して経脈・経穴に働きかける様に使用する、東洋医学の伝統的経験療法で、「気」を補う方法の「補法」と外的な邪を追い出す「瀉法」があります また、現在では西洋医学的な神経学や筋肉系に添っての治療を取り入れた、運動障害や脳神経系障害などのリハビリを目的とした鍼治療もあります
刺さないはりには、古代から伝わる”古代九鍼”の中でも一部の刺さないで、接触するだけのはりがあり、現代では”小児鍼”とも言われており、生後2週間後から対象患者として扱い、接触や摩擦などの刺激で効果が得らている鍼もあります
花粉症などではローラー鍼や、金属特性を利用した金鍼・銀鍼では疼痛閾値の低い方には最も適した鍼と考えられます。
他には、筋肉内に刺さずに皮膚表面に細く極短いはり(3mm~7mm)を皮膚に水平に刺して長時間止めて持続的な刺激を与える皮内鍼や、画鋲状のはりを巣直に刺してテープで留めて長時間の刺激を与える円皮鍼もあります
他には特殊なはりで、鍼の持ち手に”もぐさ”を取付て、灸の熱刺激とはりの刺入刺激の両方を求める鍼もあります
始めて、はり治療を受けられる患者様のほとんどが、注射針を連想してからか”痛いから恐い”と考えて、はりのイメージをお持ちの様ですが、注射針と太さの比較では10分の一以下程度で、人間の髪の毛程のはりを使用していますので、一瞬の”チクリ”という感覚ほどで、なんで怖がっていたのだろうと思えるほどです
きゅうの定義では「一定の方式に従い、モグサを燃焼させ、またはこれに代わる物質を用いて身体表面の一定部位に温熱刺激を与え、それによって起こる効果的な生体反応を利用し、生活機能の変調を矯正し、保健及び疾病の予防または治療」とあります
きゅうはヨモギの葉の裏面にある”毛茸(モウジョウ)”と呼ばれる葉の裏側に密生する白い毛と”腺毛(センモウ)と呼ばれる揮発性で主成分がチネオールを含む独特の芳香を放つ役割を持っている精油を原料に造られています
モグサは直接、皮膚に乗せて用いる上質モグサと、間接的に用いる粗悪モグサに分けられますが、その違いは製造方法の違いで異なってきます
”きゅう”について思い浮かべられるのは、時代劇などで浪人が柱に掴まりながら行っている、大きなモグサを背中に乗せて、歯をくいしばらいながら行っている、いかにも熱く辛そうなイメージがあるのではと思われます
しかし、”きゅう”にも直接に皮膚に置いて火をつける「有痕灸」と皮膚とは間接的に熱刺激を与える「無痕灸」がありますので、下記に分類して載せてみます
「有痕灸」 ・透熱灸 良質のモグサを皮膚の上に米粒大以下の大き さにしてツボなどを刺激しますが、熱刺激を弱める糸 状にした”糸状灸”もあり、きゅう施術の大半をなします
・焦灼灸 イボやウオノメの治療に用い、施灸部の組織 を破壊して痂皮が自然に脱落して治癒するのを待ちます
・打膿灸 現在はほとんど用いられないが、大きなモグ サを直接皮膚にのせて、火傷をつくり、その上に膏薬 を貼って化膿を促して生体の防衛機能を高める事を目 的にする”きゅう”で、時代劇の浪人がしていた”きゅ う”です
「無痕灸」 ・知熱灸 米粒大位のモグサを直接皮膚の上に置いて点 火した後に患者が熱くなる手前の気持ちが良い暖かさ を感じた頃合いに、施術者が母指と次指でモグサを摘 まんでもみ消す方法です
・温灸 モグサを幹部から遠ざけた位置で燃焼させて、 輻射熱を利用して暖かで気持ちの良い温熱刺激を与え る方法で、棒灸、温筒灸、隔物灸などがあります
身体均整法とは亀井進先生が昭和20年代前半頃から、経絡や経穴、日本式整体術、各種の民間療法、オステオパシー、カイロプラティック、などを取り入れて昭和31年に確率された手技療法です。
身体均整法の基本理念は「身体は運動系の法則で日々動いていますので、この運動系を調整する事によって身体全体の調整をする手技療法」
身体均整法には三原則があり「平衡性」「可動性」「強弱性」でバランスが保たれているので、身体の故障(病、痛み、緊張と弛緩、違和感、不快感)が歪み等に現れる「運動(可動)制限」を起こしているので、この運動制限を緩和させる調整を行う。
身体均整法の三原則は、一つの身体が平衡性・可動性・強弱性の要素で機能しています。
平衡性=形 骨格系
可動性=動き 皮膚、筋肉系
強弱性=力 神経系
身体均整法では、人の動き(可動)をを分析すると、前後・左右・回旋の運動があり、この運動の後に元に戻れば問題はおこらないが、長時間又は過剰になれば歪みが生じてきて、障害が起こってきます。 この歪みを取り除けば障害は消失するのです。
上記の運動のパターンから体型を分類していて、身体を 頭、上半身、下半身、胸部、骨盤、四肢の6種類に分けて、それぞれを 陽性と陰性に分け12種類の体型パターンがあります。 陽型 陰型 1.頭 前屈 後屈 頭脳型
2.上半身 左屈 右屈 消化器型
3.下半身 右回旋 左回旋 泌尿器型
4.胸部 伸 縮 呼吸器型
5.骨盤 内旋 外旋 生殖器型
6.四肢 内転 外転 循環器型、筋肉型
上の表は身体均整法の12体型に於ける調整する箇所や方法が一覧できる様に記されている表です。