歯痛とは歯髄・歯根膜・象牙質・顎骨に起きる疼痛の総称で、三叉神経分布領域で起こります。
上歯の疼痛は三叉神経第2枝(上顎神経)の上歯槽神経の知覚領域で、下歯痛は三叉神経第1枝(下顎神経)の下歯槽神経の知覚領域として感知されて、歯肉炎・辺縁性歯周炎・う歯などで起こり、これとは別に三叉神経痛の一部としても起こります。
歯痛に対する鍼灸治療は、顕著な鎮痛効果を現す場合もあり、対象治療法として考えられる。
<治療穴>
大迎、下関、顴髎、風池、翳風、肩井、合谷、聴関、オトガイ孔
東洋医学では、虚実に分けて鑑別しており、実証では実火・風火・虫歯によるものが多く、虚症では腎陰虚によるものが多い。
実火と風火による歯痛は歯肉の腫脹・発赤を伴い、疼痛が酷く、腎陰虚による歯痛は虚火によるもので、鈍痛として現れる。