アトピー性皮膚炎は遺伝的に支配されるIgE抗体産生能力の上昇を基盤として起こる慢性・再発性の掻痒性皮膚疾患で、Ⅰ型アレルギーに関与している血液中で最も微量な免疫グロブリン(IgE)が肥満細胞や好塩基球の表面に結合してヒスタミンなどの化学伝達物質を遊離してアレルギー疾患を起こします
☆ヒスタミン:神経伝達物質で、アレルゲンと接触すると肥満細胞や好塩基球 から離れてアレルギー反応の発赤・痒み、腫脹などを起こさせる
乳児期に発症し、顔面に好発して湿潤性の湿疹が顔面から全身に広がり、加齢と共に好発部位は下降して、四肢の屈曲側に極限するようになり、皮膚も乾燥・苔癬化して、他のアトピー性疾患(気管支喘息、アレルギー性鼻炎)などと合併しやすい。
アトピー性皮膚炎はIgE抗体が関与するⅠ型アレルギー疾患のひとつで、体液性免疫で抗体(免疫グロブリン)が関与しています
アレルギー性接触皮膚炎は細胞性免疫でTリンパ球が産生する炎症作用を持ったリホカイン(生理活性物質)が皮膚組織に障害を起こし、湿疹反応が起こり、一般的に「カブレ」と言われている中でのアレルギーⅣ型機序で起こっていますが、接触した部位に限定して、誰もが起こりうる刺激作用による「カブレ」とも異質となります
アレルギー疾患の皮膚炎でも違いがあります
◎湿疹には炎症の特効薬であるステロイド薬の投与があるが、副作用に注意が必要
◎掻痒には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の投与
◎生活環境の改善(ダニ・花粉・動物の毛、ほこり等の徹底除去)
◎自覚的対処の改善(食物抗原の排除・ストレス解消、掻痒対策の励行)
皮膚の掻痒は表皮直下の真皮上層において、樹枝状分岐する痛覚を感受する無髄の神経終末で主として伝導の最も遅いC繊維終末が受容器となって痛みの手前で軽い持続的な刺激が掻痒感を起こすと考えられています
この掻痒に用いられる経穴をあげてみる
肩髃、合谷、曲池、治痒、風市、定喘、百虫窩
アトピー性皮膚炎は主に子供で特に乳幼児に多く見受けられ、遺伝的傾向や胎児の時に母体からの影響を多大に受けて発症していると考えられ、東洋医学的に考察すると「気」の不調が大きな要素と考えられていま。
東洋医学では五色表に皮毛は肺経と大腸経が、肌肉は脾経と胃経が司っていますので、物に触れた刺激や食べ物からの刺激などで、それぞれの経絡が拘わっていると思われます。
また、ストレスなどの情志の失調なども関与して皮膚炎が起こるとされており、アレルギー性皮膚炎を発症する病因を解りやすくまとめた下記の表を参考にして下さい
オステオパシーではアトピー体質は頭蓋骨の後頭顆と頸椎1番(環椎)の上関節窩の滑りに問題が起こり、自由な動きに制限が生じて頭蓋骨や脊髄硬膜のストレーン(歪み)が生じて、脳への求心性伝達の誤伝達や、脳から統合されて情報が自律神経系・内分泌系・体性神経系への過剰伝達などで、ホメオスタシス維持機構(生体の恒常性)に変調を来して、体性に現れてきていると考えられています。
また、側頭骨にも歪みが起こってくると、それに付随して顔にも変形や引きつれなどが見られる様になります。
生体には防御機構が皮膚や粘膜にバリアがあり、このバリアが突破されるとその物質を生体にとっては異物と認識されて、防御のために免疫系が発動されて、その異物の排除をおこないます。 もしも、体内で作られた物質でも脳へ誤った報告が届くと、免疫系のリンパ球やマクロファージへ攻撃の指令が伝達されて、一斉攻撃が起こります。
炎症とは生体に侵入した微生物などの異物を除去したり、自己修復機能が働くときに「発赤・熱感・腫脹・疼痛・機能障害」の5大兆候を伴いますが、アレルギーとは本来ならば害にならない自身の細胞や、他の物質を攻撃して、炎症が起こって自分自身の組織や器官を壊す事になります。
このように身体で起こったストレインによって、ホメオスタシス機構の過剰かつ誤作動を、ストレインの無い正常な状態に戻すことで本来の健全な体内・体外環境が維持できるものと考えます。
脳と全身を結ぶ神経は頸椎を通り、中枢神経系の脊髄も、脳からの末梢神経(12種の末梢神経)も共に頚部を内外から通ります。
骨の間を通ったり、筋肉の間を通ったり、して末端からの情報を脳へ伝え、脳からの指令を末端に伝えています。
上記のイラストは株式会社南江堂「ネッター解剖学アトラス」より
アレルギー反応に対する施術は、少ない刺激で大きな効果が得られる 「誇張法」を主に用います。
ミリ単位の調整を行いますが、過敏に反応する人では72時間位迄に起こる反応として、吐き気・倦怠感・全身のだるさ等の症状が出て来る場合がありますが、これは人が保持しているホメオスタシス(免疫機構)の防御反応を再構築していて、必要のなくなった物質を体外へ排除しているから起こることです。
例えば筋トレ後の筋肉痛は筋繊維の再構築時の痛みですが、気がつけば数日で改善されています。
対処法は唾液は呑み込まずにはき出して、充分に水分補給を行えば、血液循環によって体外排泄されますので、なんの心配もありません。
【後頭顆調整】 環椎の上関節窩と後頭骨の後頭顆の正常な滑り現象を取り戻す。
【側頭骨調整】 前後に偏った回旋を正常位置に取り戻します。
【蝶形骨調整】 顔の歪みとしても現れている変形を正常位置に戻せば、噛み合わせな ども改善される。
【脳脊髄液波動調整】 頭蓋骨のタッピングにより脳内老廃物を排泄します。