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〒089-0543 中川郡幕別町札内中央町338番地

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新たな症例紹介

運動麻痺

脳神経の障害では、四肢や体幹部を含めた広範囲な運動障害と感覚障害があり、障害部位により運動障害のみの場合があれば、感覚障害のみの場合もあり、また両方の複合した障害もあります。

この障害で、運動障害では、運動麻痺と不随意運動に分けられていて、 筋の随意運動を支配する下位性伝導路を錐体路と言い、この伝導路の障害で運動麻痺が起こります。

感覚を支配している位性伝導路は錐体外路と言い、この伝導路の障害で不随意運動が起こります。

 

運動麻痺とは大脳皮質から筋肉までの神経経路のどこかに異常が生じて、筋肉の随意運動が出来なくなった状態をいいます。

運動麻痺には

核上麻痺:大脳皮質から内包、脳幹、脊髄、を経て脊髄前角細胞に至       る、上位ニューロンの中枢神経の障害により、伸張反射の       亢進を伴う痙性麻痺

核下麻痺:脊髄前核細胞から末梢部に至る、下位ニューロンの脊髄末       梢神経の障害により筋緊張の減弱を伴う弛緩性麻痺があ        り、麻痺の程度によって完全麻痺と不完全麻痺に分けられ       ます。

運動麻痺の評価には一般的には徒手筋力テストがあり、麻痺の程度、回復傾向か、病状の悪化かを評価する事が出来る。

現代医学の鍼灸治療

脳血管障害後遺症(片麻痺)

錐体路を循環する動脈の出血、梗塞、塞栓によって起こり、1~2週間の急性期を経て、多くは片側の上肢・下肢に痙性不完全麻痺の後遺症を残して慢性期に至り、言語障害などの脳神経にも後遺症を残す場合もある  <症状>                              患側上肢・下肢の深部反射亢進、病的反射

<治療穴>                             天柱、曲池、合谷、伏兎、足三里、懸鍾、陽輔

末梢神経麻痺

末梢神経麻痺の多くは核神経の走行途中で打撲や圧迫などの障害を受ける事によって起こる、支配筋の弛緩性麻痺をいいます

上肢は、橈骨神経正中神経尺骨神経の三本が指先までの筋肉を支配していて、下肢は総腓骨神経脛骨神経お二本が指先までの筋肉を支配しています。

上肢

  • 1
    橈骨神経麻痺
    下垂手、落下手と言われ、前腕や手関節(橈側手根関節)、更に中手指節関節の伸展運動、それに母指の伸展と外転運動に麻痺症状を起こす。
    <治療穴>
    曲池、手三里、合谷
  • 2
    正中神経麻痺
    母指が外転位になり、母指と小指の対立運動などが困難になり、母指球や小指球の萎縮がみられ、手掌が扁平になるために猿手とよばれる。
    <治療穴>
    郄門、内関
  • 3
    尺骨神経麻痺
    骨間筋、特に虫様筋の麻痺により、中指に向かう他の指の運動や引き離す運動になどが障害され、鷲手と呼ばれる
    <治療穴>
    小海、支正、神門

下肢

  • 1
    総腓骨神経麻痺
    前頚骨筋、長母指伸筋、脾骨筋などの麻痺に依り、足関節の背屈や外反運動が不能にんり内反尖足を現す。
    <治療穴>
    陽陵泉、陽光、外丘、光明、懸鍾、陽輔
  • 2
    脛骨神経麻痺
    腓腹筋、ヒラメ筋などの麻痺により、足関節の底屈、内転、足趾の屈曲が困難になり外反拘鈎足となる。
    <治療穴>
    承筋、承山

東洋医学の鍼灸治療

東洋医学で運動麻痺は、痿証として捉え、四肢の筋肉が弛緩し、筋肉の萎縮も一部にみられ、運動障害を呈するものをいいます。

痿証には、熱による実症と虚による虚症によるものがあります。

実症

  • 1
    肺熱による運動麻痺
    湿邪を感受して肺や津液を損傷して、皮毛や筋脈をうまく栄養できなくなり運動麻痺が起こる。
    <症状>
    四肢の筋力低下・萎縮、発熱、咳嗽、心煩口渇、小便短赤、舌質紅舌苔黄脈細数または滑数
    <治療穴>
    尺沢、肺兪
     上肢:肩髃、曲池、手三里、合谷、外関
     下肢:伏兎、梁丘、足三里、解谿、環跳
  • 2
    湿邪による運動麻痺
    感受した湿邪が熱化して湿熱となり、筋脈に影響を与え運動麻痺がおこる。辛いものや甘いものの偏食脾胃に熱が籠もって筋脈を栄養出来なっても起こる。
    <症状>
    筋力低下・運動麻痺、胸腹部のつかえ、四肢の重だるさ、患肢の熱感、小便短赤、排尿痛、軽度浮腫、舌質紅舌苔黄膩、 脈濡数または滑数
    <治療穴>
    陰陵泉、内底、脾兪
     上肢:肩髃、曲池、手三里、合谷、外関、陽経
     下肢:伏兎、梁丘、足三里、解谿、環跳、梁丘

     

虚症

  • 1
    脾胃虚弱による運動麻痺
    後天の本である脾胃が虚弱になると、筋脈・肌肉が栄養されず次第に運動麻痺が起こる。
    <症状>
    四肢軟弱、次第に運動麻痺か筋萎縮、食欲不振、疲労倦怠感、大便溏薄、息切れ、舌質淡舌苔薄白脈細弱
    <治療穴>
    脾兪、胃兪、太白
     上肢:肩髃、曲池、合谷、手三里、外関
     下肢:伏兎、梁丘、足三里、解谿、環跳、梁丘
  • 2
    肝腎陰虚による運動麻痺
    老齢、慢性疾患、房事過多などで肝腎を損傷し、精血が不足して筋骨・経脈がうまく栄養出来なくなり、運動麻痺が起こる。
    <症状>
    下肢筋力低下、次第に運動麻痺、腰膝だるい、眩暈、耳鳴り、尿量減少、大便硬舌質紅、舌苔少、脈細数
    肝兪、腎兪、懸鍾、陽陵泉
     上肢:肩髃、曲池、手三里、合谷、外関、陽谿
     下肢:伏兎、梁丘、足三里、解谿、環跳、梁丘

     

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