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パーキンソン病

パーキンソン病中脳にある黒質の緻密部におけるドパミン産生ニューロンの変性によって、綿条体に送られるドパミン不足と相対的にアセチルコリン系の増加がみられ、錐体街路徴候の筋緊張亢進を主徴とした疾患で、原因は不明である。

黒質変性以外の原因(脳炎など)によるパーキンソン病様の病態はパーキンソン症候群として、パーキンソン病とは区別されます。

上記の図はMEDIC MEDIA レビューブック第8版より

好発年齢は中年期以降に多く、女性の有病率は男性の1.5~2倍となる。

初発症状は一側性の手足のふるえ、歩行時の足の引きずりが多く出現し、症状はゆっくりと進行してくる。

小刻み歩行や前傾姿勢などの両側性障害に移行して、錐体外路症状の四大徴候の他に自律神経障害や自発性低下・抑鬱気分・不眠などの精神症状を伴う事もあります。

上記図はMEDIC MEDIA ビジュアルノート第2版より

治療目的には症状緩和とADL維持

現在の治療ではドパミン補充とアセチルコリン抑制で、内科的治療では主に薬物療法が行われ、同時に運動療法で筋力と関節可動範囲維持を行う。『薬物の副作用』                          ・レボドパ                              消化器症状:胃部膨満感、悪心、嘔吐、食欲低下           精神症状:イライラ感、抑鬱、眠気、頭重感、頭痛、不眠、幻覚    神経症状:口・手足・体幹のジスキネージ、味覚異常、視力異常    その他:起立性低血圧(立ちくらみ)、動悸、不整脈        ・ドパミン受容体刺激薬                        消化器症状:胃部不快感、胸焼け、食欲不振、悪心、嘔吐       精神的症状:幻覚、幻視、妄想、不安、興奮、焦燥感、傾眠、           眠気、不眠                      その他:起立性低血圧(立ちくらみ)、視覚異常          ・抗コリン薬                             口渇、便秘、尿が出にくい、幻覚、せん妄、錯乱、          視力障害(かすみ目)、口舌のジスキネージなど          ・塩酸アマンタジン                          精神症状:幻想、不眠、イライラ感                 その他:足の浮腫、網状青斑、めまい感、口渇など        ・MAO-B阻害薬                            精神症状:幻覚、妄想、錯乱                    その他:狭心症、三環系抗うつ薬との併用不可

 ※ジスクネジー(ジスクネジア):自分の意思に関係なく身体が動いてしまう不随運動で、元々は                  運動障害・運動異常という意味の言葉

 

外科的療法は、薬物療法で薬物に耐えられない場合や重大な副作用の出現で薬物投与が困難な場合に行われる。

現代医学の鍼灸治療

錐体外路系疾患では、初期においての進行抑制を目的に行う。

<治療穴>

上肢の運動・感覚障害                        風池、肩井、消濼、曲池、四瀆、孔最

下肢の運動・感覚障害                        大腸兪、風市、伏兎、足三里、外丘、殿圧、殷門、承筋                 

 

東洋医学の鍼灸治療

神経内科疾患に分類され、筋力低下はあるが麻痺がない錐体外路系疾患のパーキンソン病を東洋医学では「痿証」になるのと思われる。

痿証とは四肢の筋肉が無力で弛緩し、ときには筋肉の萎縮がみられ、運動障害を呈する病証をいい、「痿」とは四肢に力がなく運動障害が生じる事をいいます。

痿証は肺胃の熱、湿熱邪、肝腎陰虚、脾胃虚弱などの原因で起こるとされています。

  • 1
    肺熱による痿証
    温邪(熱毒)を感受して肺や津液を損傷して、皮毛や筋脈を栄養出来なくなると運動障害が起こる。
    <主症>
     四肢筋力低下、筋萎縮、
    <随伴症状>
     発熱、咳嗽、心煩、口渇、小便短赤
    <舌・脈>
     舌質紅、舌苔黄脈細数・または滑数
    <治療穴>

      尺沢、肺兪、肩髃、曲池、合谷、陽谿、脾関、梁丘、足三里   解谿
  • 2
    湿熱による痿証
    湿邪を感受してそれが長期にわたって除去されず、熱化して湿熱となり筋脈に影響して気血の運行が悪くなり、筋脈・肌肉が弛緩して運動障害が起こる。
    また、辛い物・甘い物の偏食で脾胃に熱が籠もり、津液を損傷して筋脈を栄養出来なくなり起こることもある。
    <主症>
     下肢筋力低下、運動不能
    <随伴症状>
     胸腹部つかえ、頭部・四肢の重だるさ、患肢熱感、小便短  赤、排尿痛
    <舌・脈>
     舌質紅、舌苔黄膩、脈濡数・または滑数
    <治療穴>
     陰陵泉、脾兪、肩髃、曲池、合谷、陽谿、脾関、梁丘、
     足三里、解谿
  • 3
    脾胃虚弱による痿証
    後天の本である脾胃が虚弱になると、筋脈・肌肉に栄養ができなくなり、次第に運動障害が起こる。
    <主症>
     四肢軟弱、次第に運動障害、筋肉萎縮
    <随伴症状>
     食欲不振、疲労倦怠、大便溏薄、顔面浮腫・艶がない
    <舌・脈>
     舌質淡舌苔薄白脈細弱
    <治療穴>
     脾兪、胃兪、太白、肩髃、曲池、合谷、陽谿、脾関、梁丘、 足三里、解谿

     
  • 4
    肝腎陰虚による痿証
    老齢、慢性疾患、房事過多などで肝腎陰虚となり、精血が不足して筋骨、肌肉が栄養されないと次第に運動障害が起こる。
    <主症>
     下肢筋力低下、次第に運動障害、筋肉萎縮
    <随伴症状>
     腰膝軟弱、眩暈、耳鳴り、遺精、月経不順
    <舌・脈>
     舌質紅舌苔少脈細数
    <治療穴>
     肝兪、腎兪、懸鍾、陽陵泉、肩髃、曲池、合谷、陽谿、   脾関、梁丘、足三里、解谿

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